上の家・下の家

 

地下と2階しかない家


冬寒く夏暑く、湿度高く積雪もある富山の厳しい環境に対して
快適、または安定した場をさがしながら、移動して住む家。


中心をつらぬく塔は、この建築のコアとしてあり
その中をダイニングテーブルとソファをおいた
「パオ(包)室」が浮かび、上下に自由に移動する
そう、モンゴル遊牧民の移動式住居パオ(包)のように


地下空間 underground floor は、土に囲まれていることで地球と一体化し
ソトの環境の影響をうけない。夏凉しく、冬あたたかい。
また first floor は空中にあり、季節の良いときは、窓を開放しソトと一体化する。
風が吹き抜け、景観もよく、快適にすごせる高さだ。
また、一日の時の移ろいの中では、昼は、空中にあるwork spaceですごし
夜になると、地下のプライベートspaceで休む。
食事はキッチンが2つのフロアにそれぞれあるので、使い分けができる。
ground floor はピロティとし、ソトの環境に常に開かれた場とし
カフェスペースとしたり、雪が積もったときは、そのままにしておけたり。
一番上のroof floor は菜園として利用し、断熱効果を期待した。


季節によって、または一日の時間帯によって、暮らしのシーンが自動的に変化する
あるときは、あるがままの環境を受けとめ、あるときは、その懐に寄り添う
そんな生活をするためのパオ(包)を内包した住まい。